​聴覚・疾患別

難聴ハイリスク因子

①低出生体重児(1500g以下)

②新生児重症黄疸(ビリルビン20mg/dl)

③家族内難聴者

④血族結婚

⑤出生児仮死(アプガー指数:0~3)

⑥重症呼吸障害

⑦胎生期の感染症(風疹、サイトメガロウイルスなど)

⑧異常脳神経症状

⑨頭頸部奇形

➉耳毒性薬物(アミノグリコシド系抗生物質)

耳毒性薬剤

・アミノ配糖体薬物:ストレプトマイシン

・抗腫瘍剤(シスプラチン)

・ループ利尿剤(フロセミド)

・鎮痛薬(アスピリン)

非症候群性遺伝難聴

先天性難聴の約50%は遺伝性であり、遺伝性難聴の約30%は難聴以外の症状を伴う症候群性難聴、約70%は難聴以外の症状を伴わない非症候群性難聴である。症状が難聴のみである非症候群性難聴では、症候群性難聴と異なり随伴症状からは原因遺伝子を予測できない場合が多い。しかし、ごく一部の非症候群性難聴では、聴覚検査の特徴から原因遺伝子を比較的高い確率で同定できる。その代表的な例はAuditory Neuropathy(ABR検査で無反応、OAE検査で正常反応)の主たる原因であるOTOF遺伝子であり、日本人でも確認されている。

トリーチャー・コリンズ症候群

Treacher-Collins症候群は、常染色体優性遺伝と考えられている第一・二鰓弓、舌骨弓由来の組織に異常のみられる疾患で、垂れ目、下眼瞼の部分欠損、頬・下顎の低形成を3主徴とした特有の顔貌を呈する。副症状として、外耳奇形、外鼻変形(鈎鼻変形)、巨口症、口角と耳垂を結ぶ線上に陥凹や瘻孔の形成を見ることがある。

 

眼窩異常や顔面の奇形などを伴うとともに、耳奇形、耳介奇形、外耳道閉鎖、中耳の奇形などによる伝音難聴がみられる。時に内耳奇形に伴う感音難聴もみられる。

ワーデンブルグ症候群

Waardenburg症候群は、常染色体優性遺伝で眼・鼻の異常、眉毛の異常発育、虹彩の色素異常、前額部の白髪などとともに感音難聴も時に、認められる。

ペンドレッド症候群

Pendred症候群は、先天性難聴で比較的頻度の高い症候群性難聴である。甲状腺腫、ヨード有機化障害

前庭水管拡大症

先天的に前庭水管が大きく、それに伴い内リンパ嚢も拡大している疾患である。常染色体劣性遺伝形式をとり、比較的よく見られる。この疾患では髄液の圧変動が内リンパ嚢を介して、前庭を含む内耳リンパに大きく伝達され、蝸牛に機械的障害を与える。数日で軽快することもあるが、最終的には変動を繰り返しながら、徐々に進行し、難聴となる。

アルポート症候群

Alport症候群は、常染色体優性遺伝で腎不全とともに、両側性の感音難聴であるが、7~10歳ごろから明らかになり、最初は軽度難聴であるが、進行して高度難聴に至る。リクルートメント現象陽性の例が多い→「内耳障害が主体と考えられる」

老人性難聴

加齢による神経系全般を含む生理的変化に伴って聴力が低下する両側性の感音難聴。50歳代以降に少しずつ現れ、年齢とともに悪化する。まず高音域の聴力が低下し、次第に中・低音域の難聴となる。原因は、内耳の有毛細胞、内耳の血管条、聴覚中枢路などの障害で、患者によって病態が異なる。ラセン神経節細胞の変性、基底版の弾性低下。聴力象は高音漸傾型

オーディトリーニューロパチー

蝸牛の外有毛細胞などの機能は正常であるが、ABRの反応が得られず、聴力閾値では中等度以上の感音難聴を示し、語音明瞭度も悪いという後迷路障害の疾患群のこと。補聴器の装用効果は限定的である。

一過性閾値上昇

一定の強さの音が、はじめは大きく感じ、それがしだいに小さく感じる現象。固定周波数の自記オージオメトリにおけるJerger分類ではⅢ型となる。

聴神経腫瘍

内耳道内の前庭神経に発し、徐々に進行する良性腫瘍である。一側性の後迷路性感音難聴や耳鳴を呈し、腫瘍の増悪とともに進行する。めまいを起こす事は少ない。初期には突然の耳鳴・難聴で発症することもあり、突発性難聴と誤る事がある。

心因性難聴

器質的疾患がないにも関わらず、心理的葛藤などにより種々の音刺激に反応しないことがある。思春期に多く、難聴は両側性で不安定であるが、他覚的聴力検査では正常である。自記オージオメトリではJerger分類Ⅴ型を呈する。カウンセリングで急速に改善することもあり、予後は良好とされている。純音聴力検査では茶碗型のオージオグラムを示しやすい。補充現象は陰性

滲出性中耳炎

定義は中耳腔に浸出液が貯留した状態。小児に多く、老人にもみられる。

耳管機能不全によって中耳腔炎症による排出不全。アレルギー性鼻炎やアデノイド増殖症などによる、成人の場合は上咽頭癌がある。症状は成人では難聴、閉塞感。小児では自覚症状がなく、テレビの音が大きい、呼んでも返事をしない、痛みがない。小児の場合、アデノイドとの関連が指摘されており両側性が多い

幼少児と高齢者に二峰性の年齢分布を示すが幼少児に圧倒的に多く5~7歳にピークがある。

症状としては「耳閉塞感、難聴、耳鳴、自声強聴」など耳痛、発熱といった急性感染症状を欠く。貯留液が漿液性の場合は難聴は軽度(ティンパノグラムC型)粘液性の場合は難聴はさらに低下しティンパノグラムB型となる

中耳に滲出液が溜まっている場合は鼓膜は震えにくく振動が伝わりにくい為、インピーダンスは大きくなる(上昇する)

突発性難聴

突発発症する感音難聴で原因が不明。突発発生した難聴を突発難聴という。突発に生じる難聴、耳鳴、耳閉塞感を伴う。中等度~高度、一側性がほとんどでめまいを併発することもある。

耳硬化症

​アブミ骨底に固着する。基本は伝音だが、感音難聴を示す場合もある。カルハルトノッチ2kHzの低下がみられ、骨導閾値も上昇する。20-30歳の女性で発症しやすい。

白人に多く日本人には少ない。男女比は女性に多く遺伝的素因が関与している。好発部位は前庭窓の前上部、アブミ骨前脚でこれらを中心に病的骨増殖が生じアブミ骨底の固着を生じる。アブミ骨手術で著名な聴力改善が得られることが多い

思春期より徐々に進行する両側性伝音難聴で耳鳴を伴う。進行すると骨導聴力の低下を生じ混合性難聴を来す。鼓膜所見は正常でX線検査、耳管通気度も異常を認めない。ティンパノグラムでAs型を示す

真珠腫

良性の中枢神経系腫瘍、悪性変化はきたさない。中耳炎の既往がなく鼓膜に異常が認められない場合は先天性真珠腫と呼ばれる。真珠腫は主に鼓膜の弛緩部や緊張部の後上部に穿孔様の所見が見られる

難聴をきたす疾患

ミトコンドリア脳筋症

外リンパ瘻

ストレプトマイシン中毒

聴神経腫瘍

ハント症候群

ペンドレッド症候群

 

 

ムンプス難聴

おたふく風邪や流行性耳下腺炎といったムンプスウイルスによっておこる急性ウイルス性伝染性疾患の合併症として発症し小児感音性難聴の原因として最もよく知られている

一側性の高度感音難聴~聾を引き起こす

 

 

ハント症候群

帯状疱疹ウイルスの再活性化による顔面神経麻痺、外耳道および耳介周囲の帯状疱疹、耳鳴り、めまいなどの内耳障害を伴うウイルス性疾患

通常一側性のの感音難聴で病型によってめまいを伴う。

良性発作性頭位めまい症

起床時、寝返りした時、急に振り返ったときなど特定の頭位をとると回旋性の眼振とともに一過性の回転または動揺性のめまいが起こる。※難聴はともわない

 

後迷路性難聴

内耳より上位の聴覚経路の障害によっておこる感音難聴。後迷路性難聴では補充現象は陰性。一過性閾値上昇が見られる

 

語音明瞭度低下

CHARGE症候群

目の欠損症(C)、心奇形(H)、後鼻孔閉鎖(A)、生育、発達の遅れ(R)、性器の異常(G)、耳介の変形と難聴(E)を主徴とする症候群

顔面神経麻痺、口唇口蓋裂、嚥下障害、滲出性中耳炎、耳小骨の以上もしばしば見られる

 

 

メニエール病

めまい発作と感音難聴をきたす代表的な病気。原因には内リンパ水腫が考えられている。耳鳴、難聴、耳閉感、回転性めまいを反復する

発症年齢は30~50歳、女性にやや多い

 

純音聴力検査では中・低音域ないし水平性の気導閾値上昇、補充現象を示す

 

内耳性難聴

有毛細胞の障害によって補充現象が陽性になる。語音明瞭度が低下する。ジャガー分類Ⅱ型

アッシャー症候群 

常染色体劣性遺伝、網膜色素変性、感音難聴(高音障害型が多い)、前庭機能低下がみられる。視覚聴覚二重障害の原因の1つ

ファンデルへーヴェ症候群

遅発型骨形成不全症、青色強膜、耳硬化症を3徴候とする。伝音難聴

補充現象

わずかな音の強さの変化を明確な大きさの変化として知覚する

 

騒音性難聴

瞬間的な強大音の曝露で起こる急性の難聴を音響外傷、大きな音を長期間連続的に聞いて起こる難聴を騒音性難聴という。いずれも内耳の有毛細胞が障害を受けた感音難聴

 

細菌性髄膜炎

高度難聴、失聴、てんかん、水頭症、麻痺や発達遅滞などの後遺症が残ることがある。突発性難聴や原因不明の進行性難聴とともに中途失聴の要因の1つとしても知られている

 

進行性の難聴

​アッシャー症候群、ミトコンドリア脳筋症、GJB2遺伝子異常、前庭水管拡大症、先天性サイトメガロウイルスなど

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