​内科・疾患別

白血病

白血球系幼若細胞が癌化した状態。急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病に大別される。骨髄に高度な白血病細胞浸潤、貧血、血小板減少による出血傾向、脾腫、播種性血管内凝固症候群(DIC)、好中球減少による感染症などがみられる。

BMI

Body Mass Index。肥満の判定法として、用いられる体格指数。

体重(kg)/身長(m)²として算出、BMI 22を基準値として、BMI 25以上を肥満と判定する。更に、BMI 25以上で、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの健康障害が認められるか、内臓脂肪が多い場合には、“肥満症”として治療が勧められる(日本肥満学会1999)。BMIは体脂肪量とよく相関し、国際的に広く普及している。

神経性食欲不振症

若年女性に多い。対人関係などの精神的外傷体験を契機とすることが多い。極端な食欲低下、拒食によるが、時に嘔吐や過食、異食といった食行動の異常を伴うことがある。高度のるい痩、無月経を伴うが腋毛、恥毛の脱落はまれで、活動水準はむしろ亢進することが多い。

血液所見では、下垂体前葉で分泌される成長ホルモンGHの高値、卵胞刺激ホルモンFSHの低値を示す。中心静脈栄養などの積極的治療を行わないと生命予後が不良な症例もあるが、心療内科的あるいは精神神経科的アプローチが有効である。

糖尿病

Diabetes mellitus(DM)。インスリンの作用不足によりおこる代謝異常である。インスリンは、膵臓のランゲルハンス島(β細胞)より分泌される生体で唯一の血糖低下作用を有するペプチドホルモンで、その不足により高血糖をきたす。過剰な血糖は尿中に排泄され、糖尿病の語源(diabetes:多尿、mellitus:甘い味)となっている。2002年度に厚生労働省が行った糖尿病実態調査では、我が国の成人の6人に1人が血糖値の異常を指摘されている。

 

<分類>

*1型糖尿病(a.自己免疫性b.特発性)

*2型糖尿病

*その他の特定の機序、疾患によるもの(a.遺伝因子として遺伝子異常が同定されたものb.他の疾患、条件に伴うもの(膵外分泌疾患、内分泌疾患、肝疾患、薬剤性など)

*妊娠糖尿病

1型糖尿病

膵臓のβ細胞の破壊性病変によりインスリン欠乏を生じるもので、若年者で急激に発症する自己免疫機序を介するタイプと、特発性のタイプがある。この型の糖尿病は、最終的には絶対的なインスリン欠乏に陥り、インスリン依存状態となる。

2型糖尿病

従来、インスリン非依存型糖尿病と呼ばれていたタイプで、インスリン分泌低下とインスリン抵抗性が発生に関与している。このタイプは、中高年で過食、運動不足、肥満、ストレスなど、主として生活習慣の乱れを契機として発症する。

症候性糖尿病

二次性糖尿病。種々の基礎疾患が引き金になり糖尿病をきたすもの。

膵疾患や内分泌疾患など種々の疾患に合併して発症する糖尿病である。基礎疾患の津領で糖尿病も一定程度改善する。糖尿病の遺伝素因を持つものや長期間にわたり糖尿病が持続すると基礎疾患の治療によっても糖代謝異常は残る。いわゆる特発性と二次性糖尿病の鑑別は困難なことが多い。

 

両者の鑑別の手がかりの一つは糖尿病の家族歴であり、もう一つはインスリン分泌の初期反応である。経口ブドウ糖負荷時のインスリンの初期分泌を計算すると2型糖尿病ではほとんどが低下している。二次性糖尿病では初期分泌は良好に保たれていることが多く鑑別の参考になる。しかし絶対的な鑑別法ではない。

 

a)膵外分泌疾患による糖尿病

さまざまな膵疾患が外分泌のみならずラ氏島も障害すると糖代謝異常をきたす。β細胞と同時にα細胞も障害されるとグルカゴンが低値となり低血糖を起こしやすくなる。

b)内分泌疾患による糖尿病

さまざまな内分泌疾患で高率に糖代謝異常をきたす。成長ホルモン、甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモン、副腎髄質ホルモンなどインスリン拮抗ホルモンが過剰になるとインスリン作用不足となる。

c)その他

ステロイドなどの薬剤や感染症により発症する糖尿病がある。

糖尿病の合併症

毛細血管障害で、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症がある。また、動脈硬化性疾患として、虚血性心疾患、脳血管障害、閉塞性動脈硬化症がある。糖尿病性壊疽は難治性潰瘍~壊疽で、下肢に好発し、神経障害を合併するため痛みが少なく、感染を伴いやすい。糖尿病性網膜症・糖尿病性腎症と共に糖尿病特有の三大合併症の一つで、代謝障害による多発性神経障害(手袋・靴下型神経障害、振動覚低下、こむらがえりなど)、自律神経障害(便通異常、起立性低血圧、排尿障害、発汗異常など)、および循環障害を主因とする単一性神経障害(外眼筋麻痺で複視や眼瞼下垂など)がある。

糖尿病の診断基準

初回検査で、下記のいずれかの基準を認めた場合には糖尿病型と判定する。

①空腹時血糖≧126mg/dl

②75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)2時間値≧200mg/dl

③随時血糖値≧200mg/dl

④HbAlc≧6.1%(JDS値)

別の日に再検査を行い、再び糖尿病型が確定すれば糖尿病と診断する。

(HbAlcのみの反復検査による診断は不可)

 

血糖値が上記①~③の糖尿病型で、次のいずれかの条件をみたす場合には、糖尿病と診断できる。

①糖尿病の典型的な症状(口渇、多飲、多尿、体重減少)がある場合

②確実な糖尿病型網膜症が存在する場合

痛風

尿酸代謝障害による高尿酸血症と、それに続発する痛風発作と呼ばれる急性関節炎発作を特徴とする代謝疾患である。尿酸は、核酸(プリン塩基)の最終代謝産物であり、腎臓から排泄されるが、尿酸の産生過剰や排泄障害があると高尿酸血症をおこす。また、尿酸は水に溶けにくいため、高尿酸血症が持続すると過剰な尿酸は組織に沈着して、関節炎を引きおこす。痛風(特発性痛風)は遺伝素因(体質)を背景にして、肥満、アルコール、ストレスなどが誘因となって発症する疾患で、30~50歳の壮年男性に多い。

骨粗鬆症

骨に対する機械的刺激(体重支持、筋肉の牽引など)がなくなると、骨の代謝が低下し、カルシウムの排泄が亢進します(骨の脱灰)。当然、骨折しやすくなります

視床下部症候性

①側視床の出血や梗塞により、対側半身の全感覚障害、強いしびれ、痛み(視床痛)と対側の片麻痺、不随意運動などがみられることがある

視床痛は激しい自発痛のほか、風や衣服の刺激で誘発される痛みや痛覚過敏を伴う。

*視床は感覚の中継点である他に運動調節にも働くため、障害されると不随意運動がみられることがある。また、視床に近接する内包に障害がおよぶと、対側の片麻痺がみられる。

 

下垂体前葉機能亢進症

Cushing病、Cushing症候群

Cushing症候群は

①下垂体からの副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)分泌過剰によるもの(産生腺腫、過形成:Cushing病)

②異所性ACTH産生腫瘍

③副腎皮質腫瘍(腺腫、癌)に大別される。

 

Cushing病もしくは症候群では、約半数の症例に筋力低下をみる。発症は緩慢で、近位筋優位の筋委縮と筋力低下が特徴で上肢より下肢に強く、Gowers徴候をみる。下垂体や異所性腫からの過剰ACTH分泌による場合と副腎皮質からのグルココルチコイドの過剰産生の場合とがある。いずれも過剰のグルココルチコイドが筋肉細胞内のレセプターと結合し核内に入り、蛋白合成のバランス異常を引き起こし筋肉の障害が生ずる。

 

先端巨大症

多くの場合、成長ホルモン(GH)産生下垂体腺腫が原因で身体の過成長を伴う。骨端線閉鎖後の発症では先端巨大症となるが閉鎖前では巨人症となる。四肢先端部の巨大徴候、下顎突出などに加えて、頭痛、視力障害、発汗などを呈する。神経・筋障害を併発することも多く、単ニューロパチーとしては手根管症候群がしばしば認められ、また多発ニューロパチーでは手足の痛みや異常感覚とともに感覚・運動型を呈する。末梢神経の肥厚、筋力低下を認め、腱反射は減弱する。筋障害も起こり易疲労性、筋力低下が認められる。多くの場合、内分泌障害の改善により症状が改善する。

​下垂体前葉機能低下症

特発性、下垂体炎、下垂体の腫瘍、頭蓋咽頭腫などの原因で下垂体前葉ホルモンの分泌が低下した状態。

<症状>

・副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)欠乏:全身倦怠感、食欲不振、低血糖、低血圧

・甲状腺刺激ホルモン(TSH)低下:耐寒性低下、不活発、皮膚乾燥、徐脈、脱毛

・性腺刺激ホルモン(LH、FSH)分泌低下:無月経、性欲低下、体毛の脱落

・プロラクチン(PRL)欠乏:乳汁分泌低下

・成長ホルモン(GH)分泌低下:小児期に発症すると、ソマトメジンC(IGF-I)が低値となり、成長が障害され、成長ホルモン分泌不全性低身長症となる

視床下部-下垂体後葉系機能欠損

抗利尿ホルモン(ADH)=パソプレシン(AVP)の分泌低下により水の再吸収能低下をきたし、著しい多尿をきたす。この疾患を尿崩症という。

甲状腺機能亢進

甲状腺ホルモンが過剰に産生、分泌されるために、種々の臨床症状をきたす。

Basedow病

自己免疫疾患のひとつで、甲状腺刺激抗体(TSAb)、TSH受容体抗体(TRAb)などが産生され、TSH受容体と結合して甲状腺刺激作用を示すために発症する。

男女比は1:4~5と女性に多い。

主な臨床症状は多汗、手指振戦、体重減少、四肢麻痺、心房細動、女性では月経不順。

三主徴:びまん性甲状腺腫、頻脈、眼球突出。

甲状腺機能低下

甲状腺ホルモンの分泌、作用が低下する。症状として、皮膚の乾燥・蒼白・浮腫(粘液水腫)。易疲労感、舌肥大、嗄声、便秘、寒がり。精神活動の低下(無気力、嗜眠、記憶力低下)

 

クレチン症

先天性甲状腺機能低下症。乳児1/2000の頻度で発生する。新生児マススクリーニングの対象疾患である。遷延性新生児黄疸、哺乳困難、無欲顔貌、傾眠、巨舌、腹部膨満、臍ヘルニア、低体温(35℃以下)、浮腫、徐脈、貧血などが数か月のうちに徐々に出現してくる。3~6か月ころには精神運動発達の遅れが目立ってくる。

ネフローゼ症候群

種々の病的機序により糸球体基底膜の蛋白透過性が異常に更新し、大量の血清蛋白が尿中に失われるために低蛋白血症を生じ、高度の浮腫をおこす症候群である。

成人ネフローゼ症候群の診断基準として、

①蛋白尿(1日3.5g以上)

②低蛋白血症(血清蛋白量6g/dl以下で、血清アルブミン量3g/dl以下)

③脂質異常症(LDLコレステロール140mg/dl以上、TG150mg/dl以上)

④浮腫

これらの内、①②は必須である。二次性ネフローゼ症候群とは、糖尿病、全身性エリテマトーデス、アミロイドーシスなどにより二次的に生じるものをいう。

アレルギー反応の分類

Ⅰ型(即時型、アナフィラキシー型)

IgE(レアギン)が関与する。血管周囲の肥満細胞(mast cell)表面に付着したIgEに抗原が結合すると、細胞からヒスタミンやロイコトリエンなどの化学物質が遊離し、平滑筋の収縮や粘膜の浮腫などの症状を示す。

気管支喘息、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、アナフィラキシーショックなど

 

Ⅱ型(細胞傷害型)

細胞膜(たとえば赤血球膜)や細胞膜の付着物質が抗原となり、それに抗体が結合して細胞自身が融解する。

溶血性貧血、血小板減少性紫斑病(ITP)など

 

Ⅲ型(免疫複合体型、アルザス型)

傷害を受ける細胞からは離れたところで抗原と抗体が結合して免疫複合体を形成する。そしてこれが補体系の反応を引き起こして特定臓器の障害をもたらす。糸球体腎炎など

Ⅳ型(遅延型)

抗原に感作されたT細胞リンパ球が引き起こす細胞性免疫反応である。24~48時間後に反応が現れる。

ツベルクリン反応、移植免疫、接触性皮膚炎、肉芽腫形成疾患(結核、ハンセン病、サルコイドーシス)など

 

Ⅴ型(刺激型)

細胞表面レセプターへの自己抗体の結合により、細胞が機能亢進状態となる。

Basedow病など

Behcet病

アフタ性口内炎、眼症状、皮疹、外陰部潰瘍を主徴とし、再発、緩解を繰り返す炎症性疾患である。

HLA-B51遺伝子との相関が指摘されている。好中球機能亢進がある。口腔粘膜、血管壁に対する自己抗体の存在から免疫異常説、ウイルス説、特殊の連鎖球菌感染説などがある。

ビタミン○欠乏

ビタミンB1欠乏→ウェルニッケ脳症

ビタミンK欠乏→骨粗鬆症

ビタミンA欠乏→夜盲症

ビタミンC欠乏→壊血症

ビタミンB12欠乏→悪性貧血

アジソン病

​口腔にメラニン色素沈着を起こす。易疲労性、全身倦怠感、筋力低下、脱力感、体重減少、低血圧などの症状が見られる

慢性腎不全

全身倦怠感、貧血、浮腫、高血圧、尿量は少なくなる

高血圧

最高血圧(収縮期)→140mmHg以上

最低血圧(拡張期)→90mmHg以上

※正常血圧130/85mmHg未満

高血圧は持続すると脳動脈、冠動脈、腎動脈、大動脈の動脈硬化を進行させる。脳では動脈硬化をきたし、脳梗塞と脳出血の最大の要因となる。高血圧のうち原因疾患の明らかでないものは「本態性高血圧」、原因が明らかなものを二次性高血圧という

心不全

​心疾患で心機能が低下し息切れ、浮腫などの症状が出現した状態

右心不全→主として静脈系から心臓への血液の戻りが悪くなるため静脈圧上昇、肝臓のうっ血、浮腫などが認められる

​左心不全→肺のうっ血が主症状で呼吸困難、起座呼吸などが認められる。動脈血酸素濃度は低下する

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