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社会保障制度-キーワード

社会保険

保険のリスク分散システムを活用して、生活を困難に陥るような一般的なリスクに対して人々があらかじめ保険料を支払い、そうしたリスクが発生した場合に個人に必要な給付を支給する制度。

 

国民健康保険法

同じ地域に住む人を被保険者として保険集団を作る医療集団のこと。市町村国民健康保険と国民健康保険組合がある。

 

国民年金法

第一号被保険者:20歳以上60歳未満のうち、第二号、第三号被保険者以外の者。ただし、被用者年金制度の老齢(退職)年金受給者は適応除外

第二号被保険者:厚生年金保険の被保険者と共済組合等の加入者

第三号被保険者:第二号被保険者の被扶養配偶者で20歳以上60歳未満の者

 

年金保険

保険の仕組みを使い保険料の拠出が前提となっている年金制度。主として私的年金のことを指す。

 

医療保険

私たちが万が一、病気や怪我をしたとき、その医療費用の保障を目的とする社会保険。4つの主体、被保険者、保険者、保健医療機関、審査支払機関がある。

 

介護保険

強制加入を特徴とする社会保険であり原則として40歳以上の者を被保険者とし、そのうち65歳以上の者を第一号被保険者、40歳以上65歳未満の医療保険加入者を第二号被保険者と区分する。保険者は市町村及び特別区の全てである。

 

労災保険

労災保険は業務災害、通勤災害を被った労働者やその遺族のために必要な保険給付を行うことを目的とした制度。保険者は日本国政府であり法律上、被保険者という考えはない。

 

雇用保険

労働者が失業したり、仕事の継続が困難になった場合に必要な給付を行って労働者の生活を安定させ、同じ職場での仕事の継続や再就職を支持すること。保険者は日本国政府である。

 

社会手当

社会保険と公的扶助の中間的方法としての無拠出の現金給付で、その財源は税金あるいは、事業主が出したお金である。

 

社会福祉

政策主体、実践主体、運動主体を基礎にした相互関係の統体としてとらえられている。援助技術というソーシャルワークと呼ばれている直接的援助と間接的援助に分けられる。

 

児童福祉法

都道府県、指定都市、中核市に児童福祉審議会の設置が義務つけられている。児童相談所は都道府県と指定都市が義務設置、人口30万人程度の都市が任意設置。

 

福祉事務所は都道府県と市が義務設置、町村は任意設置。

 

保健所は都道府県と政令指定都市、中核市、その他政令で定める市に設置される。

 

母子及び寡婦福祉法

母子家庭及び寡婦の福祉に関する原理を明らかにするとともに、母子家庭及び寡婦に対しその生活の安定と向上のために必要な措置を講じ、母子家庭及び寡婦の福祉を図る。

 

母子保健法

母性並びに乳児及び幼児の健康の保持及び増進を図るため母子保健に関する原理を明らかにするとともに、母性並びに乳児及び幼児に対する保健指導、健康診査、医療、その他の措置を講じ、国民保険の向上に寄与することを目的とする。

 

少子化社会対策基本法及び次世代育成指示対策推進法

少子化対策を統合的に推進することを目的として、施策の基本理念や国、地方公共団体の責務などを定めたもの

 

新エンゼルプラン

エンゼルプランの後期計画として作られた。重点的に推進すべき少子化対策の具体的実施計画のこと。

 

児童虐待等の防止に関する法律

2004年に児童虐待防止法及び児童福祉法の改正が行われ通告先が児童相談所のみから市町村も加えられた。 

2008年11月に成立した改正児童福祉法では被措置児童虐待の防止等に関する内容が盛り込まれた。

 

児童相談所

児童相談所は都道府県と指定都市が義務設置、人口30万人程度の都市が任意設置。

業務として①家庭からの相談 ②必要な調査、医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定 ③判定に基づく基本的な指導 ④一時保護の4つを規定している。

 

保健所

保健所は都道府県と政令指定都市、中核市、その他政令で定める市に設置される。保健所における児童福祉法関連業務は①子どもの保険について正しい衛生知識の普及 ②子どもの健康相談、健康診査、保健指導 ③身体に障害のある子ども、及び疾病により長期にわたり療養を必要とする子どもの療養指導 ④児童福祉施設に対する栄養の改善その他衛星に関する必要な助言を行うこと である。

 

福祉事務所

社会福祉法に基づき都道府県と市に設置が義務付けられている。各担当地域区内の住民の福祉に対する窓口的な行政機関で、福祉六法に基づく援護・育成・構成の措置も事務を行う。

 

老人福祉法

1963年に設定された高齢者の心身の健康の保持や生活の安定のために必要なサービスなどを実施し、高齢者の福祉を図ることを目的とした法律。

障害者基本法

1993年に心身障害者対策基本法が改正されて障害者基本法となった。個人としての尊厳、差別禁止を理念として掲げ、明文化、障害者週間を規定、都道府県・市町村に障害者基本計画の策定を求めることに意義がある。

 

身体障害者福祉法

身体障害者の自立と社会経済活動への参加を促進するため身体障害者を援助し必要に応じて保護し、身体障害者の福祉の増進を図ることを目的として1949年に設定された法律である。

 

障害者自立支援法

支給決定においては、市町村審査会の意見、障害者程度の区分、社会活動や介護者・居住の状況、サービスの利用意向、訓練・就労に関する評価を行い、支給の要否の決定を行う。平成25年4月から「障害者総合支援法」として施行。

 

知的障害者福祉法

1998年に精神弱者福祉法が改正されたもので、知的障害者の更生を援助し、必要な保護を行い、知的障害者の福祉を図ることを目的としている。

精神保健及び精神障害者に関する法律(精神保健福祉法)

精神障害者の医療及び保護を行うことによって、精神障害者の福祉の増進及び国民の精神保健の向上を図ることを目的とした法律。

昭和62年に精神衛生法から精神保健法へと改定。

 

発達障害者支援法

平成17年4月に「発達障害者支援法」が施行。

自閉症・アスペルガー症候群、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)などを「発達障害」と総称して、それぞれの障害特性やライフステージに応じた支援を国・自治体・国民の責務として定めた法律。

 

公的扶助

公的扶助制度は国民の健康と生活を最終的に保障する制度。

【特徴】

貧困・低所得者を対象としていること

最低生活の保障を行うこと

公的責任で行うこと

資力調査あるいは所得調査をともなうこと

租税を財源としていること

救貧的機能を有していること

 

生活保護法

公的扶助制度は社会保障制度の一つとして、社会保険制度と並び国民・住民生活を保障するもの。

 

民生委員法

第  5 条 都道府県知事の推薦によって、厚生労働大臣がこれを委嘱する。

第 10 条 給与を支給しないものとし、任期は3年。補欠の民生委員の任期は、前任者の残任期間とする。

第 14 条 2 項 援助を必要とする者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように生活に関する相談に応じ、助言その他の援助を行うこと。

 

生存権

社会権の種類として、①生存権、②教育を受ける権利、③労働基本権がある。

生存権とは、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利のこと。

 

公衆衛生

地域社会の人々の健康の保持や増進をはかり、疾病を予防するため公私の保健機関や諸組織によって行われる衛生活動。

母子保健、学校保健、老人保健、環境衛生、生活習慣病対策、感染症予防など。

 

伝染病予防法

明治 30年法律 36号。

伝染病の発生を予防し、発生した伝染病を撲滅することを目的とした法律。

 

結核予防法

結核の予防および結核患者に対する適正な医療の措置について定めた法律。

1919年に制定し1951年に全面改正。

2007年に感染症予防法に統合。

 

予防接種法

平成 18 年 4 月に予防接種法が改正され、麻疹、風疹ワクチンの接種方法、接種対象年齢が変更。

麻疹、風疹予防接種は「麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)」による2回接種。

1回目は満1歳以上満2歳未満。

2回目は5歳以上7歳未満で小学校に就学する前の1年間が対象。

 

健康増進法

「多数の者が利用する施設を管理する者」に、受動喫煙防止のため「必要な措置を講ずるよう努めなければならない」と定めている。

「多数の者が利用する」ならすべて対象で学校、病陰事務所、飲食店、屋外競技場やタクシーなども含む。2003年5月施行。

 

老人保健法

高齢者の健康の保持や医療の確保を図るために、疾病の予防、治療、機能訓練などの保健事業を総合的に実施し、国民保健の向上、老人福祉の増進を図ることを目的として制定された法律。1983年施行。

2008年改正法の施行により「高齢者の医療の確保に関する法律」に改称。

 

ICF(国際生活機能分類)

人間の生活機能と障害の分類法として、2001 年5月WHOにおいて採択。ICIDHがマイナス面を分類するという考え方が中心であったのに対し、ICF は生活機能というプラス面からみるように視点を転換し、環境因子等の観点を加えた点が特徴。

 

学校保健法

学校における保健管理に関し必要事項を定め、児童・生徒・職員等の健康の保持増進を図るための法律(1958年)。

学校保健計画、学校環境衛生、健康診断、健康相談、伝染病予防措置、学校保健技師・学校医等の設置等を規定。

 

学校教育法

教育基本法に基づいて、学校制度の基本を定めた法律。

小学校・中学校・高等学校・中等教育学校・高等専門学校・特別支援学校・大学・幼稚園、および専修学校・各種学校について定める。

1947年に制定、同時に六・三・三・四制教育が採用実施。

1999年に一部改正施行され、中高一貫校の設置が認可。

 

教育基本法

日本国憲法の精神に基づき、日本の教育の基本的なあり方を明示した法律。義務教育や家庭教育、生涯学習などについて、それぞれの基本方針を定めた18条からなる。1947年施行。2006年の改正で前文に「公共の精神の尊重」「豊かな人間性と創造性」「伝統の継承」などについての記述が追加。

 

特別支援学校

心身に障害のある児童・生徒に対し、幼稚園・小学校・中学校・高等学校に準じる教育を行う。また、障害による学習上または生活上の困難を克服するために必要な知識・技能などを養うことを目的とする学校。2007年の学校教育法改正に伴い、盲学校・聾学校・養護学校は統合されて特別支援学校となった。

 

特別支援教育

障害を持つ児童・生徒の自立と社会参加を支援するための教育。学校教育法の一部改正により2007年4月より実施。障害の範囲が従来の特殊教育より広げられ、学習障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)・高機能自閉症なども支援の対象。

 

障害者の雇用の促進等に関する法律

障害者の雇用の促進等に関する法律が改正され、2006年4月に施行。

改正により、身体・知的障害者に加え精神障害者が法定雇用率の対象。

 

特例子会社

雇った障害者を親会社の雇用とみなして雇用率に合算できる子会社。障害者が5人以上で、従業員に占める割合が20%以上などの条件を満たした場合に厚生労働省が認定。親会社と異なる労働条件にできる。

 

援助付雇用

職場において訓練や指導を行っている企業を援助すること。障害者を雇用するためにかかる余分な経費を雇用主に対して補償する。

重度障害者に対する指導、共に仕事をしながら個人的にケアしてくれる同僚への給料の補助など。

 

ジョブコーチ

障害者を対象とした就労支援制度の一つ。就職や職場への適応が円滑に行われるように、職場適応援助者(ジョブコーチ)が職場を訪問し、障害者と事業主の双方に助言・援助を行う。職場の同僚・上司、障害者の家族に対しても助言を行う。

 

アドボカシー

主張。弁護。特に権利擁護の主張。支持すること。

 

セルフヘルプグループ(SHG)

心や生活習慣に問題をもつ人たちが自らの手で、心身を管理して悩みを解決し悪い習慣から立ち直ることを目的として結成する集団。

 

成年後見制度

精神上の障害があり判断能力が不十分なために、財産管理や契約などの手続きが困難な者に対し、本人の行為の代理または行為を補助する者を選任する制度。2000年に民法の改正により禁治産制度に代わるものとして設けられた。

 

身体障害者手帳

身体障害者手帳は、身体障害者福祉法の定める基準に該当する身体障害をもつ人に交付。

交付者は都道府県知事。

①各市町村役場で必要書類の用紙を受け取る。

②指定医(身体障害者福祉法 15 条)に受診し診断書を作成してもらう。

③必要書類を添えて福祉窓口などへ提出。

④書類が都道府県へ転送される。

⑤都道府県は等級判定を行う。

⑥判定結果にもとづき身体障害者手帳が交付。

 

身体障害者手帳が交付される年齢の規定はなく、申請に関しては本人が満 15 歳未満の場合は、保護者が申請を行う。

(法的に「身体障害者」という場合は、身体障害者手帳を交付された 18 歳以上の者)

身体障害者障害程度等級表には、障害の程度に応じて 1 級から 7 級まで定められているが、身体障害者手帳の交付は6級までである。

HIV 感染者も、1級から4級までの区分に基づいて交付。

 

療育手帳

本人またはその保護者が福祉事務所に申請し、児童相談所または知的障害者更生相談所の判定に基づいて都道府県知事が交付。

 

精神障害者保健福祉手帳

一定の精神障害の状態にあることを証明するものとして交付。原則として本人が申請しなければならないが、家族や医療機関職員などの代行も認められている。障害等級は1~3級に区分。

 

【参考文献】

監: 廣瀬 肇「言語聴覚士テキスト 第2版」,2008年

編: 西尾 実「岩波 国語辞典 第7版 新版」,2011年

著・編:新村 出「広辞苑 第六版」,2008年

編:山縣文治「やわらかアカデミズム〈わかる〉シリーズ よくわかる社会福祉 第6版 ミネルヴァ書房」,2008年

編:坂口正之、岡田忠克「やわらかアカデミズム〈わかる〉シリーズ よくわかる社会保障 第2版 ミネルヴァ書房」,2007年

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