​歯科・口腔外科-キーワード

歯とは

顎骨の歯槽突起に植立している石灰化した硬組織であり、咀嚼や発音に関係する重要な機能を持ち、審美性にも大きく関与している。

 

乳歯の数

上下ともに10本

 

乳歯の名称と数

A:乳中切歯 B:乳側切歯 C:乳犬歯 D:第1乳臼歯 E:第2乳臼歯

永久歯の数

上下各16歯、合計32本

乳歯が生えそろう時期

2歳半ごろまでには生えそろう。

 

歯周組織 

歯の周りに存在し、歯を支持している組織であり、セメント質、歯根膜、歯槽骨、歯肉がある。

  

歯肉:歯槽骨を覆っている口腔粘膜であり、外来刺激から歯周組織を保護している。

歯根膜:セメント質と歯槽骨をつなぐ線維性の結合組織である。歯を歯槽骨内に指示させる。

セメント質:歯根象牙質の表面を覆う比較的薄い硬組織である。

歯槽骨:顎骨のうち歯を植立させている部分を臨床的には歯槽骨と呼ぶが、解剖学的には上顎では歯槽突起、下顎では歯槽部と呼ぶ。

 

大唾液腺

左右1対ずつの「耳下腺・顎下腺・舌下腺」のこと。

小唾液腺

口腔の粘膜下にあり、部位により、「口唇腺、舌腺、頬腺、口蓋腺、臼後腺」などと呼ばれる。

 

8020運動

80歳になっても20本歯を残そうというもの。

 

プラークコントロール 

口腔内を常時プラークのない状態にすることは不可能なので、歯肉に炎症が生じない程度にプラークの付着を抑えること。

 

ブラッシングの方法 

主に頬・舌面のプラークを除去する方法。一般的に歯ブラシの毛先を使う方法と毛束の脇腹を使う方法に大別される。前者はプラーク除去効果が高く、後者はマッサージ効果が高いといわれている。

 

バイオフィルム 

歯の表面に付着するプラークのこと。歯や粘膜の表面に細菌が付着し、その上を粘着性のムコ多糖体で覆われたもの。

 

バイオフィルム感染症 

歯の表面に付着するプラークによって起こる感染症。主なものとして、齲蝕と歯周病であるが、誤嚥性肺炎などの原因としても重視されている。

口腔の先天異常

先天性口唇婁、先天性口角婁、二重唇、巨唇症がまれにみられる。治療としては、障害の程度に応じて、形成手術を行う。

齲蝕 

齲蝕が発生するための三大要因として、①細菌、②糖分、③歯質とされ、④時間を含めて四大要因ということもある。口腔内を不潔にしていると、食物のかすや剥離した粘膜の細胞などに細菌が繁殖し、歯垢として歯の表面に付着する。歯垢の中の細菌である酸産生菌は糖分を分解して酸を作り、歯のカルシウムを溶解する。また、他の細菌が作る蛋白溶解酵素も作用して歯を少しずつ破壊する。

症状として、第一度、第二度、第三度、第四度とある。

第一度:表面のエナメル質だけが侵されている状態であり、はじめは歯の表面に白い斑点ができ、それが黒褐色のしみとなり粗造になる。痛みは感じない。

第二度:象牙質が侵された状態。冷たい水や空気がしみる。象牙質に達すると進行が速くなる。

第三度:歯髄の処置を必要とする状態。

第四度:さらに進行して歯冠が崩壊して歯根だけが残った状態。慢性化して症状がほとんどないことが多い。

歯髄膜 

象牙質齲蝕がさらに進行し、歯髄組織に生じた炎症性の病変。自発痛や持続する誘発痛を伴う。一部もしくは全部の生きている歯髄からの痛みがある。

 

歯肉炎 

炎症性の歯周疾患のうち、炎症が歯肉に限局していて、他の歯周組織の破壊が見られないもの。

 

歯周病 

歯周疾患とも呼ばれ、歯肉、セメント質、歯根膜、および歯槽骨よりなる歯周組織に起こるすべての疾患。ただし、歯髄疾患の結果として起こる根尖性歯周炎、口内炎などの粘膜疾患および、歯周組織を破壊する新生物は含まれない。

智歯歯周炎

智歯が生えるときの障害。埋伏したまま萌出してこなかったり(埋伏智歯)、まっすぐに萌出しないで位置異常(水平智歯)などの異常を示すことがある。症状として、歯の周囲の歯肉が発赤して、疼痛を伴い発熱や開口障害が見られることもある。

白板症 

摩擦によって除去できない白斑でほかの診察可能な疾患に分類できないもの。ビタミンA欠乏、喫煙、機械的刺激が原因とされているが原因不明のものも多い。40代男性に好発。症状が多彩で白色から褐色まである。形態も平坦なものから顆粒状、平板上のものまであり、内部に紅斑、びらんを伴うものもある。

 

口腔がん・舌がん 

おもとして口腔粘膜に発現し、まれに大小唾液腺にきわめてまれに顎骨内部に中心性癌として発症する。男性が女性より多く(男:女=6:1)、40歳以上の高年者に多い。口腔内の発生部位は舌、歯肉が最も多い。自覚症状は初期には全くないか、しみる程度の軽微な疼痛であるが末期癌では激痛を伴うようになる。顎下部および頸部リンパ節へ転移しやすい。

顎関節疾患 

顎関節強直症とよばれるものがあり、顎関節を構成する組織の障害により、運動が著しく障害された状態。種類として、片側性と両側性、線維性と骨性、先天性と後天性に分けられる。低年齢で発症するものは骨性の強直性が多く、高年齢で発症するものは線維性のものが多い。

顎関節症の分類 

Ⅰ型:咀嚼筋の障害によるもの

Ⅱ型:顎関節に関連した軟組織の慢性外傷性病変

Ⅲ型:顎関節内障といわれる加熱円板の位置異常によるもの

Ⅳ型:いわゆる変形性顎関節症。

その他:精神的な要因によるもので顎関節部の違和感を示す。

唾液腺疾患 

キュットナー腫瘍(慢性硬化症唾液腺炎)とは、病態は唾液腺の非特異的慢性炎症であり、腺実質が萎縮、消失し、間質結合組織が線維性増殖をきたすもの。一般的には片側性で、数か月から数年を経て徐々に無痛性に唾液腺が腫脹し硬化をする。顎下腺が好発部位であり、原因は感染あるいは排泄障害によるものの他、原因不明(自己免疫疾患由来)であることも多い。

 

シェーグレン症候群は、涙腺や唾液腺にリンパ球などが浸潤し、腺組織の破壊と機能障害をもたらす自己免疫疾患である。現発性と続発性の二種類に大別され、有病率は人口10万人に約15人、男女比は1:14で女性に多く、発症年齢のピークは40~60歳代。

顎顔面補綴・顎補綴 

顔面、顎骨の欠損を補綴物で補填し、呼気の鼻漏出、口腔共鳴の異常、構音点の異常などによる言語障害を改善するための装置。悪性腫瘍などの術後の組織欠損に適応される。顔面補綴としては、エピテーゼ、顎補綴としては顎義歯、義顎またはオブチュレターと呼ばれる補綴装置がある。

口蓋補綴 

硬口蓋の組織欠損を義歯床によって補填し、口腔鼻腔婁あるいは口蓋の形成異常による構音を改善する装置。口蓋閉鎖床や床副子と呼ばれる口蓋補綴装置がある。

鼻咽腔部補綴 

鼻咽腔部の組織欠損あるいは機能障害による鼻咽腔閉鎖不全症例に適応される。装置の形によって三種類に分けられる。

  

A:栓塞子型:硬軟口蓋の破壊あるいは実質欠損をほとんど全域にわたり補填することにより、発音の改善を図る装置。

  

B:バルブ型:バルブ型スピーチエイドは種々の形態をしたプラスチックのバルブによって鼻咽腔閉鎖時に残存した咽頭の空隙を補い、口腔咽頭括約筋群の運動能力を賦活し、鼻咽腔閉鎖機能の獲得を助けることを目的とした装置。

  

C:挙上子型:軟口蓋挙上装置(PLP)は義歯の後方へ延長した挙上子によって軟口蓋を人為的に挙上させて鼻咽腔の空隙を狭くし、鼻咽腔閉鎖機能を賦活、獲得させる装置で、軟口蓋の長さが十分な症例に適応される。

※鼻咽腔部補綴の適応として次のような症例が対象となる。

  1. 口蓋裂術後、腫瘍とくに中咽頭切除症例などの術後組織例などの術後組織欠損、外傷後遺症などで、観血処置によって良好な口蓋形態あるいは鼻咽腔閉鎖機能が得られなかった場合。

  2. 先天性鼻咽腔閉鎖不全症、アデノイド・扁桃摘出後の鼻咽腔の形態異常などによる鼻咽腔閉鎖機能不全、脳血管障害などによるディサースリアなど、鼻咽腔の形態にはほとんど異常がないが、運動機能が障害されている症例。

  3. 咽頭弁移植手術あるいは口蓋再形成手術などによる観血処理の前段階として口蓋咽頭括約筋群の賦活化、正常言語の早期習得を目的とする症例。

  4. 重篤な全身疾患のある症例、例えば合併奇形を伴った口蓋裂症例、脳血管障害によるディサースリアなどで手術が適応となり難い症例

  5. 手術を行っても鼻咽腔閉鎖機能の改善が望めない症例

 

【参考文献】

著: 道 健一医歯薬出版株式会社 言語聴覚士のための臨床歯科医学・口腔外科学

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